これまで代表的なコーヒーの淹れかたについて学びました。
今回はそのほかの淹れかたについて2回に分けてみていきましょう。
フレンチプレス
スペシャリティコーヒーの普及とともに注目を集めている抽出方法です。
ペーパードリップなどではフィルターに吸収されがちなコーヒーの油脂分も、そのまま出るため、口当たりがなめらかです。
良質な豆でなければ雑味が出てしまいますので、スペシャリティコーヒーで淹れるのが基本の考えかたです。
豆は中粗挽きを使用します。
しくみ
1.コーヒー粉をお湯に浸してじっくりと抽出するというシンプルなしくみです。
特徴としては
・豆が持つ、本来の風味をあますことなく表現できる
・適正に淹れたコーヒー液なら、表面に味の決め手となる油脂分(コーヒーオイル)が浮く
・粉が残るので、気になるようならば底に残して飲む
といった点があげられます。
使用する器具
本体
コーヒープレス。プランジャーポットとも呼ばれます。
ポットとプランジャーと呼ばれる、プロペラのような円形の平らな板と金属フィルター、バネが一体となったものとセットされています。
タイマー
抽出時間を守るために必要。
メジャースプーン
コーヒー粉を計るスプーン。一般的な10g用のほかに、6g、8g、12g用などもそろえておくと便利です。
フレンチプレスの注意点
・お湯の温度は沸騰したての熱湯を使用します。豆の成分は熱いお湯ほどよく溶け出す性質を持っています。
・抽出時間は4分を守ること。不足すると、豆の旨味が出ず、超えると抽出オーバーとなってしまいます。
・プランジャーは、使用後は中性洗剤を使って流水で洗います。
基本の淹れかた
*粉の量は本体にあわせます。(例:2杯分なら330ccのお湯に対して粉16g)
1.ポットに粉を入れます。
2.タイマーを4分にセットして、スタート。熱湯をポットの3分の1の高さまで静かに注ぎ、30秒蒸らします。
*新鮮な豆が膨張して、お湯を注ぐとあふれ出してしまう場合があるため、お湯の量は、最初は容器の3分の1までとします。
3.蒸らしたら、お湯を注ぎ足します。
4.プランジャーを一番上まで引き上げてフタをします。
5.タイマーがゼロになったらプランジャーをゆっくり押し下げて、カップに注ぎます。
イブリック
中東や北アフリカ、バルカン諸国などで親しまれている「ターキッシュ(トルコ式)コーヒー」を抽出する方式。
しくみ
1.イブリック(ジャズヴェとも言います)という容器にコーヒー粉と砂糖、水を最初に入れ、火にかけて煮だします。
イブリックかあ。面白そう
特徴としては
・独特の苦みがあって、濃厚
・初めに砂糖を入れるので、甘さは好みで調節できる
といった点があげられます。
使用する器具
イブリック(ジャズヴェ)
銅製の長い柄の付いた、「ひしゃく」のような形をしたものが一般的。真鍮(しんちゅう)でできたものもあります。
メジャースプーン
イブリックの注意点
・豆は深煎りを使用します。浅煎り、中煎りの豆だと渋みが出やすくなります。
基本の淹れかた
1.イブリックに、粉を入れます。(2人分で20g)
2.砂糖と水(2人分で300cc)を注ぎ足します。
3.火にかけて、泡がふいたら火からおろして、また火にかけます。これを3回繰り返します。
*火からおろして、冷ますのではなく、泡が落ち着いたら火にかけます。
4.煮出したコーヒーを小さめのカップに注ぎ、2分ほど待ちます。
5.粉が下に沈んだら、上澄みの部分を飲みます。
それではフレンチプレスとイブリック抽出方法について、問題を解いてみてください。
おさらい問題
問の〇〇にあてはまる言葉を入れましょう
1.フレンチプレスで適正に淹れたコーヒー液なら、表面に味の決め手となる〇〇〇が浮いています。
2.ターキッシュコーヒーを抽出するための器具で、銅製の長い柄の付いた、「ひしゃく」のような形をしたものを〇〇〇といいます。
問の内容は〇ですか?それとも×?
3.フレンチプレスは、タイマーをセットしてからポットに一気にお湯を注ぎ終えるのがポイントです。
4.イブリック抽出法は、中煎りの豆を使用しないと、渋みが出やすくなります。
こたえ
1.コーヒーオイル(または油脂分)
2.イブリック(またはジャズヴェ)
3.×(はじめはポットの3分の1までお湯を注ぐ)
4.×(深煎りの豆を使用する)
次は コーヒーの淹れかた6
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