前回はコーヒーの産地について学びました。
今回は、コーヒーが栽培されてから手元に届くまでの過程について説明していきます。
コーヒーの最適な栽培状況
土 壌:霜の降りない、湿気があり水はけのよい土壌
気 候:平均気温15~25度といった冷涼な気候
降水量:年間平均降水量が1500~2000mm
標 高:アラビカ種は1500~2000mの高地。ロブスタ種は1000m以下の熱帯低地
コーヒー豆はこうやって作られる
種まき
コーヒー豆は、パーチメント(内果皮)のついた状態で苗床にまきます。
40~60日で発芽します。双葉が開き、約1ヶ月で5,6cmに伸びます。
苗木
苗木は、幼いうちは日よけでおおわれた苗床で栽培され、苗が40cmくらいに育ったら農園に植え替えられます。
開花
農園に移された苗木は、約3年で成木になります。
乾期後の雨のあとに、いっせいにジャスミンに似た、甘い香りの白い花を咲かせます。
幻想的な光景ですが、花は2、3日でしおれて1週間で散ってしまいます。
うーん、はかないものだ・・・
結実
落花の数日後、硬くて小さな緑の実をつけます。
徐々に大きくなり、直径が約1~3cmの真っ赤に熟した実になります。
その形や色がさくらんぼに似ていることから「コーヒーチェリー」と呼ばれています。
収穫
収穫時期は、結実してから10~14日のあいだです。
収穫方法は、おもに2つあり、手で摘み取る方法と、機械ではたき落す方法があります。
精製
精製というのは、収穫した果実から種子を取り出し、さらに皮をむいて「生豆」に加工するまでの工程のことです。
生産地によって処理方法が異なり、コーヒーの風味や品質を左右する大切な作業です。
前にも触れていますが、精製方法には、おもに水洗式と自然乾燥式の2種類があります。
(水洗式)
パーチメント(内果皮)や果肉を水洗いして取り除く方法です。
精製度が高くて豆の表面もきれいなため、コーヒー生産国の7割が、水洗式を採用しています。
(自然乾燥式)
コーヒーの実を乾燥機場で1、2週間くらい天日干しにして乾燥させ、乾いた内果皮と果肉を一度に取り除く方法です。
精製の過程で水に浮く軽い豆は輸出されずに、生産国内で飲まれることが多いようです。
選別
石や、異物、欠点豆を手で取り除く作業をハンドピックといいます。
(機械で行うところもあります)
ハンドピックは生豆の段階で1回、焙煎後に1回の合計2回行うのが理想です。
欠点豆の除去を怠ると、コーヒーの悪臭や風味を損ねる原因となります。
豆はサイズ、外観、風味で等級別に分けられて、麻袋につめられます。
輸出
カップテスト
コーヒー生豆の売買で、産地、銘柄ごとの品質を鑑定する味覚の検査をカップテストといいます。
カップテストでは、酸味、香り、甘み、苦み、コクや欠点となる異臭、異味の有無などいろいろな味の要素を検査します。
カップテイスターと呼ばれるエキスパートが実際に試飲し、豆の品質を鑑定します。
(カップテストの方法)
・円形のテーブルにカップを並べて、そのなかにコーヒー粉を10g入れて、100mlのお湯を注ぎます。
・粉が浮き上がっているあいだにも香りを確認します。
・スプーンで粉をくずし、そのときに放出される香りもチェックします。
・沈んだ粉を取り除きます。これをスキミングといいます。
・コーヒーをスプーンですくい、すするように勢いよく吸い込み、味と香りをみます。
すすってみたら、むせてしまった。みんなも気を付けて
工場へ
店舗・カフェへ届けられます
コーヒーが飲めるようになるまでには、こんなに多くの作業や工程があるんですね。
心して味わねば!
それではコーヒーが手元に届くまでの過程について、問題を解いてみてください。
おさらい問題
問の〇〇にあてはまる言葉を入れましょう
1.カップテストでは、〇〇〇と呼ばれるエキスパートが実際に試飲し、酸味、香り、甘み、苦み、コクや欠点となる異臭、異味の有無などいろいろな味の要素を検査します。
2.コーヒーの最適な栽培状況は、湿気があり水はけのよい土壌、平均気温15~25度といった冷涼な気候、年間平均降水量が〇〇~2000mmなどといった条件が必要です。
問の内容は〇ですか?それとも×?
3.コーヒー豆は、パーチメント(内果皮)をはずした状態で苗床にまきます。40~60日で発芽します。
4.落花の数日後、硬くて小さな赤い実をつけます。
こたえ
1.カップテイスター
2.1500mm
3.×(パーチメントがついた状態でまく)
4.×(緑色の実)
あれ、4はコーヒーチェリーじゃないの?
*4は、コーヒーチェリーと思われがちですが、「落花の数日後」というキーワードに注意してください。
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