とっつきにくい内容も、あとひと踏ん張りです。
今回は、耳慣れないかもしれませんが「AIDCAS」「CRM」について学びましょう。
AIDCAS
一人の消費者が、商品を知って購入するまでの行動モデルとしてAIDCASという6つのプロセスがあります。
認知レベル
注意(attention)
・気になる商品やサービスが目に留まり「何だろう?」と思う
興味(interest)
・手に取ったり、見たり、調べていくうちに「なるほど、こうなっているのか」と興味をもつ
態度変容レベル
欲求(desire)
・詳しく知るうちに「買おうか、どうしようか」と欲しくなってくる
確信(conviction)
・「よし、買うぞ」という結論に達する
行動レベル
行動(action)
・商品を購入する
満足(satisfaction)
・「買ってよかった」という感情になる
それぞれのプロセスの頭文字をとって、AIDCASと呼びます。
最終的に「満足」まで達すると、この行動モデルは消費者側と企業側のどちらにとっても成功といえます。
そうはいっても消費者は、各プロセスを順番に経てから、商品を購入するとは限りません。
商品のカテゴリーなどによって変化していきます。
(例1)
企業側
数社のメーカーが今年度のニューモデルとして、ノートパソコンを発売しました。
それぞれアピールポイントがあり、価格も大きくは変わりません。
消費者側
・パソコンを買い替えようと考えており、ネットで検索していていくつかの商品を目にする→注意
・スペックや、口コミを見て、ある商品に興味を持つ→興味
・実際に店舗に行って、実物を触ったり、説明を聞いてだんだん欲しくなる→欲求
・快適に使用しているシーンを想像したり、支払いについて問題がないことを確認して購入する→行動
・購入したパソコンの使い勝手や機能が自分の要求を満たしていると思う→満足
この場合は、価格もそこそこ高くて「買ったらしばらく使うもの」という商品なので、「注意」から「満足」と順を追った行動モデルをとることが多いです。
(例2)
企業側
Aというアイスクリームのブランドから、アセロラを使った新しいアイスクリームが発売されました。
価格も他のシリーズと同じです。
消費者
・Aブランドのアイスクリームが好きで、いつも購入している
・アセロラは嫌いではないし、ビタミンCを多く含んでいて、美容にもよい
・価格も、普段と同じ
この場合は、すでに信頼しているブランドの商品で、万が一失敗してもそれほどダメージを受けない商品なので、いきなり「注意」→「行動」という結果になることが多いです。
具体的に考えれば、わかりやすいね
CRM
ひと昔前は、「ダイレクトマーケティング」といった手法がアメリカで盛んにおこなわれていました。
アメリカは多種多様な民族、言語の国であるため、それぞれの言語での広告やカタログ、メールなどを直接個人に送っていたのです。
ダイレクトマーケティングは、ダイレクトにお客様の声が返ってくる広告戦略です。
その後「One to One マーケティング」という一人ひとりに合わせた手法に発展し、今では「CRM(customer relationship management)と呼ばれています。
日本語でいえば、個客関係性マネジメントといえるでしょう。
一度手に入れた個客の基本情報や、購買履歴、そしてその人の傾向もインプットし、それを分析して、再度利用してもらえるようにダイレクトメールやEメールなどで、その個人に直接アプローチしていく手法なのです。
消費者側でみると、一度購入した商品に関連した内容のメールが送られてきたり、自分が見ているサイトに、以前検索したことのある商品広告が表示されているという具合です。
うん、あれはすごいと思う。やりすぎは困るけど・・・
マーケティングは、大衆の心をつかむ戦略であるのに対して、CRMは個人の心をつかむ戦略といえます。
マーケティングのように4Pという要素や広告などのツールをさほど必要としません。
それでは 「AIDCAS」「CRM」 について、問題を解いてみてください。
おさらい問題
問の〇〇にあてはまる言葉を入れましょう
1.ひとりの消費者が商品を知って、購入するまでの行動モデルを○○○といいます。
2.マーケティングが大衆の心をつかむ戦略であるのに対し、○○は、個人の心をつかむ戦略です。
問の内容は〇ですか?それとも×?
3.一度取得した個人客の基本情報や購買履歴、その人の傾向までもインプット、分析してまたの利用を促すためにDMやEメールなどで、その人に直接アプローチしていく手法をマーケティングといいます。
4.AIDCASは「注意」「興味」「欲求」「自信」「確信」「行動」の6つのプロセスからなる行動モデルです。
こたえ
1.AIDCAS
2.CRM
3.×(マーケティングではなく、CRM)
4.×(「自信」のプロセスはなく、「行動」のあとに「満足」がくる)
次は 店内のレイアウト について
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