前回はもっともスタンダードなペーパードリップについて学びました。
今回はネルドリップでコーヒーを淹れるやりかたについて説明していきます。
あまり家庭では一般的ではなく、喫茶店でみられるものです。
ネルドリップとは
ネルを使った抽出方法は、ドリップ式の元祖ともいうべきもので、シンプルに最後まで手作業によって淹れるのがネルドリップです。
特徴としては
・コーヒーの持つおいしさをもっともよく引き出す
・よどみや雑味がなく、限りなくピュアに香ることで、専門家や愛好家に人気が高い
・ある程度の分量のお湯が必要となるため、1~2杯よりも大量抽出に向いている
といった点があげられます。
使用する器具
ネルドリップで淹れるにあたって、使用する器具は4種類あります。
ネルフィルター
起毛している面と布のようにさらっとした面があり、どちらを内側にしなければいけないという決まりはありませんが、粉が細かすぎるとネルが目詰まりして抽出できなくなる可能性があります。
ネルの袋は手入れや管理に手間がかかります。
(新品のネルフィルター)
新品をそのまま使用すると、抽出液がネルの側面全体にまだら模様になってにじみ出てしまいます。
また、新品は糊が付いているので、熱湯でガーゼにくるんだコーヒーのカスと一緒に、10~15分程度煮沸して、あらかじめなじませておくことが大切です。
へえ、新品じゃダメなんだー
(使用後)
臭いの元となる石けんや洗剤は使用せず、よく洗います。
洗浄したあとは、布に付着したカスが酸化して、臭いの原因やコーヒーの味に悪い影響を与えるため、乾燥させないようにします。
そのため、陰干しをして清潔な水に浸した状態で、冷蔵庫に保存します。
水は毎日取り替えます。
(交換のめやす)
ネルフィルターは、消耗品です。普段より抽出速度が速く感じられたリ、味に変化を感じるようになったら交換時期です。
市販のネルフィルターで、交換めやすが記載されているものは、それに従いましょう。
サーバー
持ち手のついたネルフィルターの場合は、受けやすいように口の広いサーバーを使用します。
また、便利な三脚を使って固定する場合は一般のサーバーでもよいでしょう。
ポット
ペーパードリップと同様、細くも太くも注げるタイプのもの
メジャースプーン
ペーパードリップと同様、粉を計って入れるのに使用します。1杯10g。
ネルドリップの注意点
・正しく焙煎された豆のおいしさを損なわないため、お湯を注ぐとき、注意することがあります。
それは、膨張した粉の外側の部分には注がないということ。
この部分にお湯を注いでしまうと、壁の役目をするべき膨張したろ過層に、お湯の道すじができてしまい、ろ過が不十分なまま、お湯が流れ出て抽出液が薄くなってしまいます。
ろ過層は、基本的にネルフィルターの袋の形に沿って、左右対称、同じ厚さになっている必要があります。
基本の淹れかた
1.ネルは内側、外側を流水でじゅうぶんに洗います。先端を持ち、柄を回して絞り、水気を切ります。
2.必要量(1人分約10g)の粉を入れて、表面を平らにしてスプーンなどで、あらかじめくぼみをつけます。これは、お湯を粉にしみ込ませると、中央部分が盛り上がってくるためです。
3.くぼみにポットの先をなるべく近づけ、粉が浸るくらいまで中心から外側に「の」の字を書くようにお湯を注ぎます。
お湯は静かに、細かく、太さを均一に保つのがポイント。
4.抽出以前にお湯を粉全体に回す「蒸らし」のため、2回目の抽出は、20~30秒待って蒸らしたのちに行います。
5.2回目は、なるべく細かい泡が多くできるように、粉の中央にお湯を注ぎます。
6.中央の液面が下がったら、目標の抽出量に達するまでお湯を注ぎ足す要領で、4、5回の抽出で完成させます。
最後まで一定のペースを保つことがポイント
それではネルドリップ抽出方法について、問題を解いてみてください。
おさらい問題
問の〇〇にあてはまる言葉を入れましょう
1.新しいネルフィルターを使う場合は、熱湯でガーゼにくるんだコーヒーのカスと一緒に〇〇して、糊や臭いをとります。
2.ネルフィルターは、いつも通りに淹れているのに味に変化を感じたり、〇〇〇〇が速く感じられたときが交換めやすです。
問の内容は〇ですか?それとも×?
3.ネルフィルターは、1~2杯分の少人数に向いた抽出方法です。
4.使用後のネルフィルターは、水洗いをしてきれいな水に浸し、常温で保存しておきます。
5.お湯を注ぐ際、膨張したコーヒー粉の外側までまんべんなく注かないと、抽出液が薄くなってしまいます。
こたえ
1.煮沸
2.抽出速度
3.×(ある程度の湯量が必要なので大量抽出に向いている)
4.×(冷蔵庫に入れて保存)
5.×(抽出液が薄くなるため、膨張したコーヒー粉の外側には注がない)
次は コーヒーの淹れかた3
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