13.焙煎の度合いによる味の変化

コーヒーソムリエ試験対策

「コーヒーソムリエ講座」は29のブログから構成されています。

前回まで世界各国の豆の種類について学びましたね。

さて今回のテーマは焙煎。

コーヒーの味も焙煎によって決まるよ

焙煎って何?

焙煎とは、コーヒーの生豆を煎ること。

コーヒー豆は、煎ることではじめて普段目にしているあの色合いや風味に変化します。

焙煎度はおおまかに3段階あり、煎り始めてからの時間によって浅煎り・中煎り・深煎りがあります。

しかし、これではさほど味を細分化できないので、最近ではさらに細かく分けた8段階方式がよく用いられています。

焙煎のテクニックとしては、加熱により生じる酸味や苦みなどの複雑な味のバランスをととのえて、豊かな香りづけをすることが求められます。

8段階の焙煎度

~( )内は煎り始めてからの時間を表します~

[浅煎り]

1.ライトロースト(10~14分)

・もっとも浅い煎りかたで、色は黄色っぽい小麦色

・抽出してもコクや香りはほとんどなく、飲用には向きません。

・焙煎のテストや試飲に使われることが多い

2.シナモンロースト(14~16分)

・色はシナモン色

・ライトローストに比べると香りは深くなるが、酸味が多くて苦みはありません。

・ライトロースト同様、テスト用に使われることが多い焙煎度

・酸味にすぐれた良質の豆であれば、ブラックコーヒーに向いています。

[中煎り]

3.ミディアムロースト(16~18分)

・この段階でようやく見慣れた栗色になってきます。

・酸味と苦みが生まれ、やわらかい口当たり

・アメリカンコーヒーに向いています。

4.ハイロースト(18~20分)

・もっともスタンダードな焙煎度で色は茶色

・日本でも喫茶店で使われることが多く、ポピュラーなロースト

・酸味が抑えられ、甘みや苦みが強くなってきます。

・ストレートのほか、ブレンドコーヒーを淹れるのにも向いています。

5.シティロースト(20~21分)

・色は濃い茶色

・シティとはニューヨークシティのことをさします。ニューヨークで好まれているところから名付けられています。

・酸味と苦みのバランスがよくとれていて、ローストの香りが強いです。

[深煎り]

6.フルシティロースト(21~22分)

・色は濃いチョコレート色

・酸味がほとんど感じられなくなり、しっかりしたコクが出てきます。

・アイスコーヒーに向いています。

7.フレンチロースト(22~24分)

・色は黒っぽくなり、外側に油脂分が出てきます。

・苦さとコクが強く重みのある味

・牛乳と混ぜてもコーヒー感がしっかり残るため、カフェオレ、カフェラテ・ウインナコーヒーにも向いています。

8.イタリアンロースト(24~26分)

・もっとも深い焙煎度で色はほとんど黒に近くなります。

・刺激を感じるほどのしっかりとした苦さがあり、香ばしさもあります。

・ヨーロッパ諸国で多く飲まれています。

・エスプレッソに向いています。日本ではアイスコーヒーにも使用されます。

(雑学)

*カフェラテはフランス、エスプレッソはイタリアといったように、発祥地があります。

それぞれに適した焙煎度がそのまま焙煎段階として用いられています。

*暑いときにアイスコーヒーを飲みたくなるのは、人間の味覚のなかで涼感を感じるのが苦みだからです。

ハリオ
ハリオ

苦みを感じるために、深煎りが向いてるんだね

焙煎による味の変化

コーヒー豆に含まれる成分は、加熱時間に応じて変質し、味に変化が生じます。

浅煎りの段階では、リンゴ酸やクエン酸がつくられるため、酸味を感じます。

深煎りになるほど、糖質のカラメル化が進み、カラメルが焦げて苦みを感じるようになるのです。

ただ例外もあり、深煎りしても酸味が強くなる豆もあります。

正しく焙煎された豆は、シワがのびて色ムラがなく、大きさが均一です。

コーヒー豆の違いによる焙煎のコツ

[ブラジル]

・苦みと酸味のバランスを最大限に生かすのがコツ

・良質な豆は、水分も芯まで抜けているので煎りやすい

・乾燥ムラを起こした豆は、2回焙煎を行って豆の足並みをそろえます。

・おすすめ焙煎度はミディアムロースト~シティロースト

[コロンビア]

・豆は肉厚で大粒。特にスプレモは酸味を多く含んでいます。

短時間、強火で煎り上げた場合は内側がじゅうぶんに焙煎されないので、酸味のある味になります。

・浅煎りだと強度の渋みが出ます。

・ある程度の酸味が強くないと苦みが強調されてしまうので、酸味を活かすために、おすすめ焙煎度はハイロースト~フルシティロースト

[ケニア]

・良質なものはやや大粒で肉厚。水洗式の豆は火の通りが悪く、気を付けないと煎りムラや芯が残ったりします。

・しっかりとした風味と濃度を引き出すために、おすすめ焙煎度はフルシティロースト~イタリアンロースト

[ブルーマウンテン]

・肉が薄く、やわらかいので、煎りムラは起こりにくく、色も見分けやすいので焙煎初心者に向いています。

・焙煎するときに、テキストなどで用いられる豆

・耐久性が弱いので、煎りやすい反面、深く煎り過ぎると味の深みが損なわれます。

・おすすめ焙煎度は酸味と苦みを抑えたミディアムロースト~ハイロースト

それでは豆の焙煎について、問題を解いてみてください。

おさらい問題

問の〇〇にあてはまる言葉を入れましょう

1.〇〇ローストは、シティローストよりもやや強い煎りかたで、アイスコーヒーに適しています。

2.〇〇〇ローストは、ライトローストよりも香りが深く、酸味の強い良質な豆であればブラックコーヒーに適しています。

3.イタリアンローストはおもに〇〇諸国で飲まれており、イタリア風エスプレッソ、カプチーノ向けです。

問の内容は〇ですか?それとも×?

4.もっとも浅い煎りかたをライトローストといい、色はシナモン色です。

5.焙煎度が中煎りで、栗色のアメリカンスタイルをフルシティローストといいます。

こたえ

1.フルシティ

2.シナモン

3.ヨーロッパ

4.×(色は黄色がかった小麦色)

5.×(シティ)

実際、焙煎店に足を運んで、豆の色を見比べたり、自分で焙煎して色の変化を見るのもよいと思いますよ。

ハリオ
ハリオ

やってみれば頭にインプットできるね

次は ブレンドと豆の相性

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