コーヒー豆は木が成長し、実をつけて初めて収穫されるものです。
今回は、コーヒーの木と実~その1~について説明していきます。
世界で栽培されているコーヒーの木の種類
ふだん、コーヒー豆と呼んでいますが、原料はコーヒーの木になる果実の種です。
学術的にいえばアカネ科コフィア属の熱帯植物です。
でもすべての種がコーヒー豆として栽培されているのではなくて、現在世界では、「アラビカ種」「ロブスタ種(カネフォラ種)」「リベリカ種」の3種類がおもに栽培されています。
アラビカ種
世界で生産されるコーヒー豆の約3分の2がアラビカ種です。
原産地はエチオピア。
豆から淹れるコーヒーとしてよく飲まれています。
酸味と香りが特徴で、突然変異や交配をしてたくさんの品種があります。
日本やヨーロッパで好まれていますが、高温多湿が苦手で、とてもデリケートなため、高地で栽培されています。
ここではアラビカ種について紹介しましょう。
[アラビカ種の栽培品種]
ティピカ
アラビカ種のなかで最も古い品種です。
豆の形も細長くて先端がすっきりとがっています。
ただ、生産性が低くて単一品種としての流通量も少ないので、交配や品種改良の対象にもなっています。
この品種の特徴は「甘みときれいな酸味」です。
ケント
インドの品種。
ティピカの交配種で、「一部のサビ病菌に強い」のが特徴です。
1920年ごろ、インドのマイソール地方、ケント氏が発見し育てたといわれます。
マラゴジッペ
ブラジルの品種。
ティピカの突然変異で、長さも幅もあり非常に大きい豆です。
ジャイアントビーンとも呼ばれています。
ブラジルのバイア州マラゴジッペで発見されました。
(雑学:豆の大きさを表すのに「スクリーン」という単位が用いられます。
数字が大きいほど大きい豆となり、マラゴジッペは豆の大きさが7.5mm以上あり、スクリーンサイズは19と表示されます)
ブルボン
イエメンからマダガスカル島に移植されたものが起源とされています。
ブラジルではコーヒーの原型といわれます。
豆は小さめで長方形に近いです。
ただ木が弱くて隔年に収穫するため、ティピカ同様に単一品種の流通量は少なく、品種改良や突然変異種が生まれています。
特徴は「甘みと濃厚さ、まろやかさ」です。
カトゥーラ
1915年にブラジルのミナス・ジェライス州で発見されました。
ブルボン種の突然変異です。
スクリーンサイズは14,15の小さめで、片方の先がややとがった三角形に近い形をしています。
ティピカ、ブルボンに比べて生産量が多いです。
ティピカに比べて「酸味、渋みが若干強い」のが特徴です。
アマレロ
ブルボンの優性突然変異種です。
ふつう、コーヒ豆の果実は熟すと赤くなりますが、アマレロは黄色く熟します。
アマレロはポルトガルで黄色という意味です。
「甘み」が特徴です。
ムンド・ノーボ
ブルボンの改良品種で、ブラジルを代表するものの一つです。
粒の大きなものはアカイア種として流通しています。
病気、害虫に強く生産性も高いです。
比較的、「甘み酸味のバランスがよい」のが特徴です。
カツアイ
赤と黄色、両方の実がなります。
ムンド・ノーボとカトゥーラの交配種です。
ムンド・ノーボは、木の高さが3.5m以上あり、作業しづらいのでカトゥーラと交配をしました。
病気や害虫にも強く、生産性も高い種です。
ほかにも、ブルボンの突然変異種である「ビジャサルチ」や、マラゴジッペの交配種である「パカマラ」「マラカトゥ」など多数あります。
けっこう種類があるなあ
豆を見て品種を当てられるようになったらもう、立派なソムリエですね。
それではコーヒーの木と実について、問題を解いてみてください。
おさらい問題
問の〇〇にあてはまる言葉を入れましょう
1.現在世界では、「〇〇〇〇種」「ロブスタ種(カネフォラ種)」「リベリカ種」の3種類がおもに栽培されています。
2.〇〇〇は、アラビカ種のなかで最も古い品種で、甘みときれいな酸味があります。
形も細長くて先端がすっきりとがっています。
ただ、生産性が低くて単一品種としての流通量も少ないので、交配や品種改良の対象にもなっています。
問の内容は〇ですか?それとも×?
3.リベリカ種の原産地はエチオピアといわれています。
世界の約3分の2のコーヒー豆が生産されています。
4.コーヒーの原料は、コーヒーの木になる果実の種です。
学術的にいえばアカネ科コフィア属の熱帯植物で、その種はすべてコーヒー豆として栽培されます。
こたえ
1.アラビカ
2.ティピカ
3.×(リベリカ種でなくアラビカ種)
4.×(すべてではなく、コーヒーの木のうち3種類)
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