ブランド。普段からよく使う言葉ですが、少し詳しくみていきましょう。
ブランドとは
ブランドの由来は、北欧の言葉が派生したもので、牧場主が放牧している家畜が自分の所有物であることを示すために、家畜に施す「焼印」から来ているとされています。
これがいつしか「識別するためのしるし」という意味に広がっていきました。
マーケティングにおけるブランドとは、“ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念”とされています。
商品は、市場にあるもので、目で見ることができますが、ブランドというもの自体は、目に見えるものではなく、消費者の意識のなかにあるものです。
ブランドの価値が上がり、消費者の意識に定着すると、「○○を買うならあのブランド」となります。
少し価格が高くても、消費者はブランドを求める傾向にあります。
いったん意識にすり込まれると、よほどのことがない限りは、評価を下げることはありません。
老舗ブランドが、商品を売り続けることができるというわけです。
ブランドという言葉は、マーケティング業界で使われていた用語でしたが、近年は「○○牛」といった地域ブランドという使われ方もしています。
ブランド名につい目がいっちゃうね
ブランディングとは
「戦略的ブランド・マネジメント」の著者である、経済学者のケビン・レーン・ケラー氏によれば、ブランディングとは
“精神的な構造を創り出すこと、消費者が意思決定を単純化できるように、製品・サービスについての知識を整理すること”と定義づけています。
つまり、企業やお店が、消費者にとって、価値のあるブランドを構築していくための活動がブランディングなのです。
ブランディングが「差別化」を対象としているならば、マーケティングは「売れる商品を消費者へ届けるための全行程」を示しています。
どちらも「商品が売れるためにとる行動」です。
ブランディングがうまくいっていると
消費者側
消費者が、商品を購入する場合、事前に「あのブランドがいい」という情報を認知していれば、あれこれ迷う手間が省けるのと同時に、間違いないという信頼感のもとに購入します。
人には、必ず「ハズレを引きたくない」という気持ちがあるからです。
企業、店側
ブランディングにより、他との差別化ができていれば、消費者から選ばれやすくなります。
また、その商品で得た信頼を次の新商品に持ち越すことができ、リピート率を高めることが期待できます。
リピーターからの支持が厚くなれば、口コミでさらに新規購入者を増やすことも可能なのです。
口コミの力ってあなどれないもんね
2つのブランディング体系
ブランディングの戦略としては、2つの体系があります。
ヨーロッパ型
企業ブランドと商品ブランドが同一である
これは、高級車にみられるパターンです。
たとえばBMW,メルセデスベンツ、ボルボなどはそのまま企業名が商品ブランドとして認知されています。
商品は名前でなく、記号や数字で分類されています。
これは、車種というよりも企業名そのものにブランド力があるということになります。
同じブランドにこだわって長年作り続けてきたからこその戦略です。
日本型
ひとつの企業ブランドに複数の商品ブランドがある
通常は、ひとつの企業から、いくつもの商品ブランドを販売しています。
「Aという会社のBという商品」ということです。
企業によっては、価格帯やターゲットに応じて商品ブランドを分けているところもあります。
日本型の注意点
日本型とヨーロッパ型は、文化、歴史、考え方、流通、価値観の違いによってできたものです。
商品ブランドを増やすことは悪いことではありませんが、注意したいのは商品ブランドやラインナップを増やし過ぎて、オーバーマーケティングになっていないかということです。
その意味では、日本はオーバーマーケティングの状態に陥っているともいえます。
カフェ業界も含め、多くの業界でみられている現象です。
混乱しちゃうかもね
ブランド体系
ブランド体系には3つの次元があります。上位からいうと
・企業ブランド
・事業ブランド
・商品ブランド
です。
カフェにも、強いブランド力(パワーブランド)が求められています。
企業とまではいきませんが、事業ブランドと商品ブランドでの体系づくりが必要とされます。
それでは ブランディング について、問題を解いてみてください。
おさらい問題
問の〇〇にあてはまる言葉を入れましょう
1.ブランドの体系には上位から「企業ブランド」「○○ブランド」「商品ブランド」の3つの次元があります。
2.○○○とは、店や企業が、顧客にとって価値のあるブランドを構築するための活動のことをいいます。
3.ブランドというもの自体は、目に見えるものではなく、○○○の意識のなかにあるものです。
問の内容は〇ですか?それとも×?
4.商品ブランドやラインナップを増やし過ぎるとアウトマーケティングという状態に陥ります。
5.ブランディング体系には、企業ブランドと商品ブランドが同一のヨーロッパ型とひとつの企業ブランドに複数の商品ブランドがあるアメリカ型があります。
こたえ
1.事業
2.ブランディング
3.消費者
4.×(オーバーマーケティング)
5.×(ヨーロッパ型と日本型)
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