前回の続きとして今回は、物件を決める~その2~ について学びます。
不動産屋と信頼関係を築くために
前回、不動産屋とイメージを共有することが大切だと説明しましたが、それには不動産屋に信頼されるように、心掛けなければいけません。
具体的にあげてみると
第一印象をよくみせる
清潔感のある身だしなみと、きちんとした言葉遣いは基本です。
第一印象は、後々まで意識に残りやすいので、覆すのはなかなか大変です。
相手に自分を売り込むつもりで行きましょう。
条件はなるべく、具体的に説明する
イメージを共有するのは、何も物件をみたあとで感想を述べるのではなく、初めに伝えておくことが重要です。
また不動産屋が、それに合わせて提示してきた物件については、譲れる点と譲れない点をはっきりさせましょう。
家賃が支払えることをアピールする
「この人に物件を紹介しても大丈夫だろうか?」と不動産屋は考えます。
不信感を与えないためにも、お店の企画書や収益計画書などを用意しておきます。
まさにプレゼン・・・
人通りってどうやって数えるの?
物件の候補地が決まったら、そこを歩いている人の人数や種類分けをするのがポイントになるわけですが、実際はどうやって調査すればいいのでしょう。
資金にゆとりがあるなら、調査会社に依頼したり、アルバイトを雇えばいいのですが、なるべくコストを抑えたい場合は、やはり自分でやるしかありません。
すこしでも効率よく行うには、あらかじめルールを決めておきます。
1.調査期間(例:月~金の平日および土日の一週間)
平日と土日の人の層がつかめます。
2.調査時間帯(例:10時・13時・19時よりそれぞれ1時間ずつ)
朝・昼・晩の人の流れや、人の層がつかめます。
1と2より、営業時間を決める要素になります。
3.通行人の層を絞って数える
自分のお店のターゲット(若者層/主婦層/会社員層/シニア層など)になりそうな人に絞って数をカウントします。
やみくもに数えても、効率が悪くなるだけです。
通行人のなかで、来店する可能性のある人の割合を「吸引率」といいます。
あくまで参考ですが、通常は1%といわれています。
4.事前準備をやっておく
通行量調査は、自分もやったことがありますがけっこう疲れるのと、飽きてしまいそうになります。
また、屋外は天候にも左右されます。
負担を少なくする対策が必要です。
もしも通りを見渡せそうな建物があれば、利用するほうがよいでしょう。
5.ターゲット層が近いカフェに出かける
ライバルを知るのは、どの業界においてもマストだよね
ランチタイム、カフェタイム、ディナータイムそれぞれの時間の来客状況をチェックするのは有効な手段です。
2日間は続けて行きたいものですが、不審がられるのを避けたい場合は、スタッフや仲間にもお願いしましょう。
居抜き物件とは?
「あの店を居抜きで借りて・・・」などといった言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
「居抜き物件」とは、前に入っていた飲食店が設備を残したまま退去していった物件のことをいいます。
そのぶん予算が浮いたと喜ぶのは早いです。
設備や空調が使える状態であればそれはよいのですが、修理費用が発生しますし、客からみえる部分が自分のコンセプトやイメージに合っていなければ、かえって撤去費用がかかってしまうのです。
居抜き物件はここをチェック!
造作譲渡料がかかるかどうか?
前のお店が残していった設備を買い取る費用のことを「造作譲渡料」といいます。この金額が高いと居抜き物件を借りるメリットはあまりありません。
内装や設備が取りかえられるか?
お店にあるテーブルや棚、椅子などが床に固定されている場合、取り外しても大丈夫か確認します。
空調はちゃんと作動するか?
エアコンや換気扇が、正常に運転しているか確認します。
故障している場合や製造年度が古い場合は修理費用もみておく必要があります。
厨房設備、広さは店の規模にあっているか?
使いやすい動線、調理スペース、冷蔵庫スペース、水道、コンロ、コンセントの数、電気容量なども確認します。
物件チェックはここを見よう!
・駅からの時間(徒歩・車)、店に来るまでの周辺環境(自分のお店と同じようなコンセプトのカフェや怪しいと感じる場所は問題あり)
・自宅からの時間(深夜営業の場合の交通機関も確認が必要)
・物件そのものの広さ、家賃・保証金(物件は、ホールとキッチンの割合をイメージ)
・家賃関係以外にかかる費用(管理費・共益費・火災保険など)
・上下水道・ガスの数、電気容量
・引き渡しの時期
・取り決め事項・条件
ひとつずつ、チェックね!
それでは物件を決める~その2~について、問題を解いてみてください。
おさらい問題
問の〇〇にあてはまる言葉を入れましょう
1.前に入っていた飲食店が設備を残して出て行った物件のことを〇〇といいます。
2.前のお店が残していった設備を買い取る費用のことを〇〇〇といいます。
問の内容は〇ですか?それとも×?
3.通行人のなかで来店する可能性がある人の割合を来店率といいます。
4.居抜き物件の場合、設備費用をそろえるコストがなくなるので積極的に探してみるのがよいです。
こたえ
1.居抜き物件
2.造作譲渡料
3.×(吸引率)
4.×(修理費用がかかる場合もあるので確認すること)
次は 営業許可について
コメント